「建設業許可(電気工事業)を取ったから、これで大手を振って電気工事ができる!」
そう思っていませんか?実は、電気工事の世界には、他の業種にはない「二重規制」が存在します。
建設業許可を持っていても、もう一つの法律(電気工事業法)に基づく手続きを忘れていると、営業上の許可はあっても保安上は「違法工事」の状態になってしまう可能性があります。
本記事では、建設業許可とは別に必須となる「電気工事業登録・届出」について、愛知県の手続きを例にわかりやすく解説します。
そもそも「二重規制」とは?
電気工事を行う事業者は、以下の2つの法律を同時に守らなければなりません。
- 建設業法:「請負契約の適正化」のためのルール。(500万円以上の工事をする権利など)
- 電気工事業法:「工事の安全性」を確保するためのルール。(技術者の配置や図面の保管など)
つまり、建設業許可(建設業法)を取得したとしても、電気工事業登録(電気工事業法)の手続きをしていなければ、従来の登録は効力を失うため、廃止の手続きをしたうえで、新たにみなし登録(電気工事業開始届出)をおこなう必要があります。
見落とすと無届営業扱いになるおそれがあります。
あなたに必要な手続きは?
電気工事業法の手続きには、工事の種類により「登録」と「通知」の2種類があります。
さらに建設業許可の有無で「みなし登録」と「みなし通知」に分類されます。
登録電気工事業者:一般用電気工作物等を含む電気工事(住宅や店舗の電気工事)
通知電気工事業者:自家用電気工作物のみ(工場・ビルの高圧電気設備)
違いを整理(判定フロー)

「建設業許可を取ったから、電気工事業法の登録はもういらない」と勘違いし、既存の登録を抹消してしまうケースがあります。 しかし、一般住宅の工事(一般用電気工作物)を行うなら、許可業者であっても電気工事業法の登録(または通知)は維持しなければなりません。
愛知県での手続き(建設業許可とは別窓口)
愛知県内で電気工事を営む場合、建設業許可とは別に、県庁の担当部署(産業保安室など)へ届出が必要です。
基本的な流れ
- 登録電気工事業者(現在)
- 建設業許可を取得
- 登録電気工事業廃止届 及びみなし登録電気工事業の開始届を提出
*みなし登録電気工事業に更新はありませんが建設業許可の更新ごとに変更届を提出する必要があります。
体制整備のポイント
手続きだけでなく、現場での体制も二重規制を守る必要があります。
- 有資格者の配置: 現場には必ず第一種・第二種電気工事士を配置する。
- 図面・帳簿の保存: 工事ごとの検査記録や図面を5年間保存する。
- 測定器具の保有: 絶縁抵抗計、接地抵抗計、回路計(テスター)などを営業所に備えておく。
これらは建設業許可の審査では問われませんが、電気工事業法では必須義務です。
よくある質問(FAQ)
必要です。
元請が登録していても、実際に施工を行う下請業者自身も登録(または通知)が必要です。
速やかに届出を行ってください。
建設業許可を取得した時点で、「登録」から「みなし登録(通知)」への変更、または新規の「通知」が必要だったはずです。
放置すると法令違反状態が続きます。
原則必要です。
コンセントの増設や配線工事を伴うエアコン設置は「電気工事」に該当するため、登録が必要です。
※コンセントにプラグを差すだけの軽微な作業なら不要
まとめ:許可を取ったら「通知」もセットで
電気工事業を営む方にとって、建設業許可と電気工事業法の届出は「車の両輪」です。
- 建設業許可: 500万円以上の工事をするための「営業許可」。
- 電気工事業法の通知(登録): 安全に工事をするための「保安ルール」。
特に建設業許可を新規で取得された直後は、この「もう一つの手続き」が抜け落ちがちです。
「うちはどの区分になるのか?」
「手続きを忘れていないか不安」
という方は、当事務所までご相談ください。
建設業許可の申請とセットで、電気工事業法の届出までトータルでサポートいたします。